理系の人が研究者として成功するために必要なこと――人生設計・経済的自立・ネットワーク・ポストの獲得・自己アピール――について、こと細かに説かれております。
著者は“研究者として成功するためには、文系的な能力もみがきましょう”と言っているけれど、実のところ、文系でも長けている人は多くないと思います。ちなみに、著者が言うところの「文系的」能力とは、
- 人とのコミュニケーションが上手
- バランス感覚が優れている
- 営業や経営のセンスに長けている
- 流行に敏感だ
- 人やお金の管理に向いている
というものですが、「どれもこれも欠落してるよ…」と感じた文系人間は私だけではないはずです(そうあってほしい…)。そんなわけで、「理系のため」と銘打っているけれど、文系の人間にとっても有益な一冊です。アカポスを目指す院生の方は、専攻にかかわらず、一読してみることをおすすめします。研究者として身を立てるための心構えといった点*1は、文系にも通じるものがあるし、周囲の人から直接聞けそうで聞けないことです。そういう部分だけを拾い読みしてもいいでしょう。
入院当初にこういう本の存在を知っていたら、もう少し要領よく入院生活を過ごせたろうに…と思います。
*1:お金(経済的自立)は本当に大切。経済的に不安定だと、研究に集中できませんからね。
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